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フォーティーンの設立は1981年。 今は亡き創業者・竹林隆光の「欲しいクラブがどこにもない、それなら自分で創るしかない」というプレーヤーとしての切実な思いから「すべてのゴルファーにベストな14本を」を、目指して作られた。 竹林自身は、1975年の香港オープンや1977年の日本オープンで、ベストアマチュアを獲得するなど、アマチュアゴルファーとしても活躍。 技術面で足りない部分はクラブで補いたいとの思いも強かった。

創業当初、フォーティーンはクラブ設計会社として、大手メーカーからの依頼を受けてクラブ開発を担っており、世界初の中空アイアンは竹林の設計によるものだったし、日本メーカーのクラブとしては、初となる海外メジャートーナメント優勝クラブを設計したのも彼自身。 他にも数多くのヒットクラブを生み出しており、タラコの愛称で一世を風靡したユーティリティアイアンも竹林が設計を担当したアイテム。

竹林はクラブ設計の世界に改革をもたらした人物でもある。 それは、フィーリングを数値に置き換えた第一人者であるということ。 それまで、ゴルフクラブはその性能について、ヘッドが走る、球離れが遅い、抜けがいいなど、使う人の感覚で説明されることがほとんどだった。 だが、それでは個人の感覚によって、そのクラブの評価は変わってしまう。 誰もがわかりやすく、フラットに比較できる要素で表現するために、さまざまなフィーリングや感覚を数値に置き換えていくことを最初に行なった。

その代表的なものが「重心距離」「重心高」「重心深度」「慣性モーメント」など、重心の位置を示す数値。現在では、クラブの性能を語る上で、これらの要素は欠かせないものだが、この「重心理論」を、世界で最初にクラブ開発に取り入れたのも、竹林だった。

また、竹林はクラブ開発だけにとどまらず、数値を測る計測器までも作り出した。 スペックを測る上で欠かせないライ・ロフトゲージは、現在でもプロトーナメントのツアーバンで使用されている。

クラブを数値化したとはいえ、「重心位置」や「慣性モーメント」などの、数字だけにとらわれたクラブ創りを追い求めすぎると、感覚的に許容できない形状のものに行きついてしまいがちとなる。 だが、プレーヤーとして竹林にはもう１つこだわりがあった。 それは「クラブは美しくなければいけない」ということ。 どんなに性能が優れていても、実際に打つのは人間なのだから、視覚から入ってくる要素は、ショットに大きく影響する。 だからこそ、見た目にもこだわった「美しく、機能的にも優れたクラブ」でなければいけないと、言い続けたのである。 そして、この基本コンセプトは、現在のフォーティーンにもずっと受け継がれている。

フォーティーンのクラブ創りは、技術や体力のないプレーヤーが「今まで打てなかったショットが打てるようになること」を目指しており、その代表作が誰でも強烈なスピンがかけられるウェッジとして開発した「MT-28」や、アマチュアでもロングアイアンを打ちやすい中空構造のアイアン型ユーティリティの「HI-858」。

そんなアマチュア向けに作ったクラブにいち早く反応したのは、1打が勝負を決めるシビアな世界で闘うプロゴルファーたちだった。 多くのプロゴルファーがこのスピンウェッジを使いたがり、その後、日本プロゴルフツアー使用率NO.1を獲得するまでになった。

さらに、2002年には「HI-858」を使用した海外選手が、同年の全英オープンで優勝を果たすなど、日本のみならず、海外ツアー選手からの注目を集めるアイテムとなる。 こうして「フォーティーン」というメーカーの知名度は、プロゴルファーの活躍を通じて、どんどん上がっていった。 そのため、技術面で足りない部分をクラブで補いたいという思いから生まれた会社なのに、ツアープロが使うクラブということから、当時は「上級者にしか使いこなせない難しいクラブ」という認識を持った人が多かった。

「フォーティーン」という会社名はそのまま数字の「14」、キャディバッグに入れられるクラブの本数を示していて、前述のとおり「すべてのゴルファーにベストな14本を」をスローガンに創業した。 そのクラブを使うことで、今まで打てなかったショットが打てるようになる…そんなアマチュアのためのクラブ作りが、本来のフォーティーンのものづくりの基本。 そして、その本質は「常識を疑う」ことにあると考えている。 そこから今までになかった画期的なアイテムが生まれ、それこそが竹林の理念でありフォーティーンそのもの。 そんな竹林イズムは、これからもフォーティーンに受け継がれていく。